国民投票法案は、国民の批判により、追加地方公聴会が3月28日新潟、大阪、4月5日東京が、決まりました。しかし、4月12日衆院通過の与党の姿勢は崩れていません。緊張した局面を迎えているときの学習会でした。
「改憲への重大な布石 ー国民投票法案を検証するー」
呼びかけ人 前田徹生氏 桃山学院大学 憲法学者)
安倍内閣は、「憲法記念日までに国民投票法案を単独与党でも成立させたい。」という強硬な姿勢で今国会に臨んでいます。世論調査(3.13朝日新聞)では、「国民投票の手続きを定める法律をつくることは必要か」に68%の支持を集めています。国民が改憲手続き法が必要であると判断するのは、真っ当な考えです。しかし、法案を提出しているのが、結党以来党の綱領に改憲を掲げている自民党ですから、慎重に法案の内容を見ておく必要があるとされました。
? 憲法とは何か。「権力を縛りつける鎖」(フランス人権宣言)である。「自由な政治は、信頼ではなく猜疑(さいぎ)にもとづいて建設される」(ジェファーソン)ことを確認しておきたい。自民党案をみると、公権力を拡大し、国民の自由・権利を縮減する方向での改憲になっています。国民の権利を保障するという憲法の原則から逆行する行為である。
国民投票法案の検証
(1)国会による発議
@憲法改正の特殊性を考えると、内閣による発案は排除し、国民発案こそ考えるべき!
A議決の際の「総議員数」とは、法定議員数とすべき!「総議員」の意味は、法定議員数衆議院480,参議院250とすべき。在籍議員数では不適切。
(2)国民による承認
@一括投票で国民の意思をきちんと反映できるのか!一括投票を検討?国民投票に係わる憲法改正案毎に1人一票といっているが、不明。
A有権者の範囲が狭すぎるのでは? 衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する者。世界の動きは18歳以上。
B最低投票率の制限のない有効投票の「過半数」では、少数の賛成で改憲が可能! 与党案は、「有効投票総数」の過半数、最低投票率なし。国政選挙の投票率を60%とすると30%の得票で、改憲が行われることに。
C発議から投票までが短すぎ、国民が十分に論議し検討する機会を奪っている?? 発議後投票まで「60日以後180日以内」。少なくとも180日以上は必要。
D改憲案の中身についての報道や論議が大幅に規制されている。メディアに対する規制。世論調査などの「予想投票の公表の禁止」、「新聞紙又は雑誌の『虚偽』報道等の禁止」、「市民意見広告など新聞紙又は雑誌の利用等の制限」、「『虚偽』放送等の禁止」等、罰則つきで規制。逆に有料テレビ広告などはルールを決めておらず無制限になるおそれ。
E国民の政治的言論活動を萎縮させる 国民投票運動に対する規制。外国人、公務員、教員。「教育者は、学校の児童、生徒及び学生に対する教育上の地位を利用して国民投票運動をすることができないものとすること。」自由な政治教育活動の制限。
安倍政権は、憲法という鎖によって縛られた権力、その鎖を緩めて自由になろうとしています。特に軍事権力の解放を目指しています。しかし、軍事力の解放はイラク戦争をみても明らかなように、殺戮と破壊の連続、敵味方の二元論にいきつき、国民の「生命・財産」そして、自由は守れないのです。軍事力を保持するには金がかかり、軍事力をコントロールする困難性は明らかです。軍事力のもつ限界と問題性を国民のものにし、九条を輝かせるときです。
憲法の原理をもう一度学習した思いです。改憲手続きにこそ、主権在民、基本的人権の保障が欠かせないことを知りました。参加者58名の学習会でした。
(文責 西浦弘望) |